愚放記

貴方の手の中にある不条理と寄り添いたい。そして、世界から隔離されよう、いっしょに、

大好きだったものを覚えていますか、小学校の帰り道の匂いと静かな夕べを。

今日は、

焼け爛れる皮膚の上で

安らかに眠っている猫を抱きしめました

暖かい風が吹く頃には

宛名は君で、手紙を書く予定です。

 

夏が来る前の切なさは大好きです。

 

窓から差し込む檸檬色の光も

ぬるい風も

バスの中の劈く寒さも

田んぼに入る小学生も

硝子に透けて映る影も

 

みんな

 

海の底にいる時の

心地よい息苦しさを求めています

きっと

切ない息苦しさなんです。